お香incense

お香教室のご案内

古くから伝わる天然の香料を使って、線香、煉香、匂い袋、防虫香、文香、塗香、蚊遣り香など、様々な種類のお香を手作りします。お香の歴史、香原料について学び、伝統的な香りを体験していただきます。お香という世界を知ることで、きっと人生は豊かなものとなるでしょう。

お香教室でできること

各種天然香料の特徴を学び、線香、煉香、印香、匂い袋、防虫香、文香、部屋香、塗香などをお作りいただけます。

お香の歴史と教室に込めた思い

薫香の歴史は古く、紀元前4,000年頃には既に中東などで盛んに用いられていました。日本へは538年の仏教伝来と共に伝えられ、原料を調合し製作する技術は奈良時代に中国の高僧鑑真和上によってもたらされます。

それから1,000年以上の間、仏教とお香は深い関わりを持って歴史を紡いできました。

仏教儀礼として使用されるだけでなく、平安時代には貴族の間に遊戯として広がり、鎌倉時代には武家などの権力者の間に広がり、室町時代には香道が成立します。

かの有名な、正倉院に保管されている「蘭奢待」は足利義政や織田信長が切り取った記録があるように、身分の高い者にとって香は権力の象徴であり、持つべき教養の一つでした。

江戸時代にやっと一般庶民に広がったお香ですが、廃仏毀釈運動や戦後に天然香料を輸入することが難しくなったこと、また合成香料の開発発展などから、現代のような人工的な香りの強いお香へと移り変わっていきました。

このように、お香には長い歴史と文化があり、その背景を知ることは現代においても教養の一つです。伝統的な香りに触れる時間はきっと人生を豊かにしてくれることでしょう。

古来からの香りに触れられる機会は多くはありません。一人でも多くの方に、お香の文化と香りの素晴らしさを体験していただきたいと願い、お香教室を開催しています。

香原料について

当店で使用する原料は、沈香、白檀、龍脳、丁子、桂皮、大茴香、甘松、山奈、木香、零陵香、薫陸、貝香、乳香、没薬、麝香、海狸香、龍涎香など、天然香原料になります。これらの天然の香料を中心に、ご自分で調合、製作をしていただきます。

香原料の多くは薬として利用されていたものです。昔も貴重なものでしたが、現代においてもそれは変わりません。

香原料の中には自生する原料が激減し、ワシントン条約で国際取引に規制がかかっているものも幾つかあります。商業用に入ってくるものだけが市場に出回るので量が限られ、非常に高価な原料もあります。

お香が日本に入ってきてから長い間、貴族や公家など地位のある人達の間でしかお香を使うことが許されなかったことや、香道が多くの人に広げられなかったのは、香木が貴重であることが要因の一つでもあるのです。

それぞれが特徴的で良い香りですが、調合をすることにより奥深く趣がある香りとなります。

ぜひ貴重な香料のことを学び、その香りに触れていただきたいと思います。

お香の役割と楽しみ方

お香を炷くことにはいくつかの意味があります。供香として、浄化のため、そして香りを楽しむ趣味としてです。

供香とは仏様や故人にお香をお供えすることをいいます。仏様や故人が召し上がるものは香気であると古い経典に記されているように、白檀や沈香など高貴なお香の香りを召し上がっていただくことでご供養をします。

また、供香お香をお香を炷くことで、お供え物やお参りをする人、その場所を清めるといった意味もあります。殺菌作用の強い香料が入っているお香は、悪しきものを遠ざけてくれると信じられてきました。塗香は粉末状のお香を手に擦り込むことで身を清めてくれます。

お客様をお迎えする際にお掃除をされると思いますが、空間を清めていい香りでお迎えするということでも活躍してくれます。

意外と知られていませんが、白檀や沈香には鎮静作用があるとされています。お香を炷くことでこころを沈め、深く呼吸をすることでご自分と向き合う時間にもなるでしょう。

香りを楽しむという意味では、お香を炷けばリフレッシュもできますし、和の空間演出にもなります。和装の際には香水代わりに塗香を塗ったり、匂い袋を袖にしのばせて優しく香りをまとうことも楽しみ方の一つです。

お香というと、お参りの時だけ使うものという概念の方も多いかもしれませんが、日常の中で多岐にわたって役立ちます。

ぜひ、お香を生活に取り入れてみてください。

お香教室で製作できるもの

線香

供香として炷くことが一般的です。お供えに相応しい香料を厳選して製作します。ご自分で製作したお線香をお供えすることは、なによりのご供養になることでしょう。

煉香

黒い丸薬状に作製するお香です。印香と同じように「空薫」して香りを聞きます。煙が出ない分、香の香りそのものを楽しむことが出来ます。茶道では炉の時期に煉香を炷きます。

匂い袋

華やかな金襴生地や縮緬生地に香料を入れて作る匂い袋。着物の袂に入れて歩けば和の香りを纏うことが出来ます。鞄の中や車の中に忍ばせてもいいですし、ストラップにして持ち歩くこともできます。

印香

文字通り、扇や華紋など様々な意匠に製作します。印香は本来、直に火をつけて炷かず、温めて香りを聞く「空薫(そらだき)」で楽しみます。近年は線香を印香のような形で作製し炷いて楽しむ商品も見られます。

焼香

供香として法要の際に炷くお香です。自分だけの焼香を作製しておくと、いざお焼香をされる際に香合(焼香を入れる入れ物)に入れてお持ちいただき、思いを込めてご供養することができます。

塗香

非常に細かい粉末状の香料を調合して製作します。身を清めるためのお香です。お参りの際、御朱印をいただく際はもちろん、近年は香水の代わりに和の香料としてお使いになる方もいらっしゃいます。

防虫香

昔ながらの樟脳をベースにしたお香作りです。樟脳の香りだけではなく、ほんのりお香の香りがするよう香料を調合し、衣類の保管に役立てます。

文香

少量の香料を和紙に包んで製作します。引き出しやお財布、マスクケースと一緒に入れたり、プレゼントに添えたりして使用します。工夫次第で幾らでも可愛く仕上げられますので、様々な場面で活躍します。

部屋香

大きな匂い袋です。裏地の付いた金襴生地で作られた豪華な袋に、通常の匂い袋の六倍もの香料を入れて製作します。玄関や床の間に飾り、和の香りて雅な空間を演出してくれます。

インセンス

香りを楽しむためのお香です。人工香料を使って好みの香りに仕上げます。精油や香水を使用することもできます。形状は円錐形の三角コーンか短めの線香状に製作します。

蚊遣り香

蚊を避けるためのお香です。近年人気の除虫菊を中心に作られた蚊取り線香と同様のものです。そこへ香料をプラスして、和の香りも楽しめるよう製作します。